何故モアイなの?
1991年だったか、子供の頃から気になっていたモアイの島、イースター島へ旅行した。 なんといっても初めての南米への旅だ。 安いチケットを求めて、知り合いの旅行代理店に頼んだが北米往復はノースウエスト航空、フロリダから先はパンナム航空でその全てをパンナムでチケッティングしていた。 ニューヨークで乗り換えてフロリダへ、そこからアルゼンチンのブエノスアイレスまで飛ぶ。もう既にヒスパニック系の人たちであふれていた。ブエノスアイレスに着き、ようやくホテルへ。テレビをつけると先ほど乗ってきた飛行機がニュースになっている。別段何事もなかったはずだが.....と思うのだが、どのチャンネルを回しても同じニュース。なにせ早口のスペイン語でどうにも理解できない。 翌朝、その理由がわかった。次のフライト(チリ〜イースター島〜帰路)のリコンファームに立ち寄った代理店で「このチケットは使えません!」「ええ!? 何故?」「パンナムオフィス、クローズ!」.....あっ!倒産したんだ。 パンナムが破産して最後の飛行機に乗ってしまったのだ。離陸間際に地上の係員が血相を変えて機内を走っていた理由がそのときにわかった。「どこが保証してくれるの?」「だれもしてくれません」そのやり取りのすえ、そこから先のフライトは全て買い直しとなってしまった。しかも今回に限ってアシスタントまで連れていた。 その後どうせなら違うコースにしようかとも考えたが、やはりどうしても行きたかったイースター島を選んだ。当時まだ倒れたままのモアイがあった小さな島に数日滞在して地球の裏側まで来てしまったことを実感しながらまさに紺碧の海とそこを見つめるモアイを撮影した思い出がいまだに懐かしく残っている。なにか、未来永劫はないのだということを語っているようなモアイに教えられる思いから、戒めのシンボルとして使わせてもらった。 |
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